離婚後の面会交流について

離婚しても離れて暮らす前婚の子供にも相続権があり、また離婚後別れっきりでも血縁のある子供が一義的に親の扶養義務を負うことになっている

夫婦が別れると全くの他人同士になりますが、親子の関係までが無に帰してしまうことはありません。たとえ一緒に暮らすことができなくなってしまっても、親子の血縁関係までもが自動的に消滅してしまうことはなく、法的にはずっと親子として取り扱われることになっています。
たとえば、離婚した父親が再婚して、新しい妻との間に子供をもうけたとします。その父親が将来亡くなった時には、現在の妻と子供に相続権が発生するだけでなく、離れて暮らす前婚の子供にも相続権が発生します。
一方、離婚後にずっと1人暮らしを続けていた父親が年老いて働けなくなってしまった場合は、血縁のある子供が一義的に扶養義務を負うことになっています。全然知らない所にある役所からある日突然電話が来て、幼い頃に別れたっきりになっている父親の面倒をみてくれと言われたりするケースが実際にしばしばあります。
つまり、夫婦が別れてしまったとしても、親子関係までもがそれと一緒になくなってしまったりすることは絶対にないのです。

離婚により夫婦間の相互扶養義務は消滅するが、子供を扶養する義務が消滅してしまうことはない

人間の子供は、獣とは異なり、非常に未熟な状態で生まれてきます。そのため、独り立ちできる状態になるまでに、とても長い時間がかかります。子供が独り立ちできる状態になるまでしっかりと養育することは、親に課せられた当然の義務です。
別れてしまえば夫婦間の相互扶養義務は消滅しますが、子供を扶養する義務が消滅してしまうことはありません。
したがって、夫婦のどちらが親権者になっているかには関係なく、夫婦双方がその経済力に応じて、子供の養育にかかる費用を分担することになっています。
ただし、日本の場合、養育費の支払いを怠っても罰則を課せられてしまうことはありません。そのため、養育費に関する取り決めが絵に描いた餅になってしまっているケースがよくあります。それを回避するためには、養育費に関する取り決めを公正証書にしておくのが得策です。

面会交流とは、離婚家庭に生まれた子供の愛される権利を実現するための制度

子供の健全な成長のために必要となるのは、お金だけではありません。親から愛されていると実感することが、子供の心の健やかな成長を助けます。自分の父親と母親が別れてしまった場合、子供は離れて暮らすことになった親から見捨てられてしまったと感じてしまいがちです。でも、離れて暮らしていてもずっと君のことを愛しているよという気持ちを子供に伝えてやれば、豊かな心を持つ大人に成長していきます。
その手段として利用することができるのが面会交流という仕組みです。面会交流を、離れて暮らす子供に会いたいという親の欲求を満たすための制度だと思い込んでいる人が少なくありません。しかし、面会交流には、離婚家庭に生まれた子供の愛される権利を実現するための制度という側面もあります。